普及が進み、人々の生活を便利にしてくれるスマート家電。ですが、インターネットを利用するが故の脆さや危険性も間違いなく持ち合わせています。それが確かな形で表面化した出来事と言えば、2020年に起きた大規模障害でしょう。
トラブルの概要
2020年11月、Amazonが運営するサーバー「アマゾン・ウェブ・サービス」で障害が発生し、同サーバーを利用していた家電のスマート化デバイス「SwitchBot」シリーズやスマートリモコン「Nature Remo」が使用できなくなりました。これによりスマート家電が制御不能となり照明やエアコンが操作できない、テレビがつかないなど大きな混乱が起きました。
これ以前にも4月、シャープで同社製のマスクを購入するアクセスの集中でサイトがダウンし、アプリによる家電の遠隔操作に影響、12月にはGoogleのサービス全体でサーバー停止による障害が発生し、GmailやYouTubeだけでなく、スマート家電用のGoogle Homeなどのサービスが使用不可能となっています。
このように2020年は、スマート家電の脆さが露呈した年と言えるでしょう。
原因
スマート家電という物はスマートフォンから直接操作しているわけではありません。アプリから飛ばした指示は一旦クラウド上のサービスに接続し、自宅の無線LANを経由して対象の家電に届きます。つまり、クラウドに接続できなくなったことで操作不能となったのです。
筆者が思うこと
これらの出来事を見て筆者が思うことは、スマート家電への過度な依存はあまりにも危険である、ということです。
サーバーを介する必要がある以上、サーバーに異常が起きたときの影響は決して小さくありません。特にGoogleやAWSの事例は国内でも利用者が多いだけに殊更被害が大きく、一つの企業に多数が依存することの危うさをも示したように思います。
一つではなく複数のサーバーに分散させる、そうでなくとも遠隔ではなくリモコンや手動で操作する余地を残さなければ、今後このような事態が発生した際社会や個人の生活に致命的なダメージを与えかねません。
スマート家電の普及や発展を喜ぶだけでなく、程よい距離感での付き合い方を模索していくべきなのかもしれません。
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